生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~ 第8章-4
前章: 生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~ 第8章-3
8.とどめのパワハラ
8-4
・その拠点長の正体
・パワハラという概念と法務室の立ち上げ
・どうする?①
・どうする?②
・どうする?③
・どうする?④
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8.とどめのパワハラ
8-4
・その拠点長の正体
夏の休暇が終わってまた恐怖の日々が始まりました。
何とかしないと、私はあと半年以上も絶対持たない。
支社の会議に行った時等には、他の拠点長たちに「大変だね」と声を掛けられることもありました。
誰かに分かって欲しい。話を聞いて欲しい。助け舟を出して欲しい。
ついすがってしまいそうな気持ちになりました。
でも考えたらその人たちにとっては他人事。ぐっとすがるのを抑えました。
周りもその拠点長を見ているだけでしんどいのが分かるのでしょうか。私が青ざめている姿を見て、そう感じたのでしょうか。
それとも噂でも知っているのでしょうか。
他の拠点長も、その拠点長にはかなり気を使っていました。
拠点長会長までが気を使っているのが分かる。
それでも他の拠点長は直接何かをされる訳ではない。
その拠点長は他の拠点長とは談笑したりしていました。
何か気に障ることさえしなければ大丈夫なのでしょう。
その拠点長は拠点外の人間には手の内を見せないのです。
当時の支社長は気位の高いタイプです。
私は拠点長の時でさえ上司と絡むのが苦手で、支社長を避けてしまっていました。
ましてや、副拠点長だとより遠い存在に感じました。
向こうも私など相手にしていない感じ。
そしてその拠点長も支社長も、お互いに一線を引いている様子でした。
売上げが多少悪い〆切でもほとんど何も言われない。
支社長が拠点のことに立ち入らないのか、立ち入れなくされているのか。
ヤバい相手だから関わりたくないのか、心理操作や様々な画策で拠点の中のことを見れないようにされているからか。
他から聞いた話では、その拠点長が定年前なので、本人の地元の支社に異動させようとしたところ、その支社から拒否されたらしいのです。
どこの支社も引き取りたくない。問題を抱えたくない。
それだけ悪い評判は巡っているようでした。
本社の人事部も手を焼きながらも、その拠点長が組織を拡大しているから評価を落とすこともできなかったのでしょう。
過去からその拠点長のヤバい話はいっぱいあるけれども尻尾をつかまえることができないでいる。
もう少し後で知った話だと、本社の人事部も何とか尻尾をつかまえようと動いていたらしいのです。
今までもその拠点長の下で、副拠点長が何人もパワハラに耐えかねて退職したことも聞きました。
ただそのほとんどの人が後々の仕返しが怖くて口を割らないとか、あるいは話したとしても証拠がなかったのだというような話を聞きました。好き放題を野放し状態にしかできず。
自分の思うがままに拠点を揺り動かして、ほとんど何もせずに高年収がキープできる。定年後の退職金や年金も安泰。
その拠点長にすれば成功体験だったのでしょう。
悪事は繰り返されている。
そんな話を聞いたり、実際に自分が被害に遭ってきた私が思うその拠点長の正体。
凶暴さをうちに秘め、大物ヤクザのように一見見える。確かに怖すぎる。
でもその正体は「凶暴なあくどい詐欺師」。
あらゆるパワハラや心理操作をして周りの人間を惑わす。だます。信じ込ませる。翻弄する。
職員のことを思ってる風なことも口にするけれど、それは狡猾な詐欺の手段。
自分「だけが」よければいい人間。
その根っこは「セコい金の亡者」。
自分だけは損しないように画策している。他人にどんなに損をさせようが自分だけは損をしないように画策している。
内心ではこんな風に感じていました。
・パワハラという概念と法務室の立ち上げ
ちょうどその頃からです。世間でパワハラが問題視され始めたのは。
それまではパワハラという言葉も知りませんでした。法律ももちろんまだありません。
パワハラとはパワーハラスメントの略。
平成24年に厚労省が取りまとめた提言でのパワーハラスメントの概念では、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」とあります。
当時はまだ概念もあやふやなものだったと思います。ただ事例を聞いただけで「俺のやられてることそのものやないか」と心に突き刺さりました。
当初は、支社の拠点長会議で支社部長が事例を話して「こんなことはやめましょう」みたいな軽いタッチでした。
「もっと言ってくれ」。心の中で叫んでいました。
そんな話の最中もその拠点長はどこ吹く風。
でも会社も本腰を入れ始めた頃でした。法務室なる相談窓口。不適正事象の内部通報やハラスメントに関する相談のための専門部署が立ち上げられました。
それまでもそれらしい部署はありました。
でもほとんど機能していませんでした。
例えば、職員が拠点長のことを訴えても、結局は本社から支社の部長に連絡が行き、支社が対応します。
支社部長は人によっては事なかれ主義。拠点長とツーカーの仲だったりすると「〇〇職員が△△と訴えてきたらしいから上手くやって下さいね」で終わりです。
支社部長は本社に解決済みで内容を適当に作って報告する。
これじゃ、ウヤムヤで終わる。握りつぶされる。場合によっては仕返しされる。
その新しい法務室は本人のプライバシーの保護や不利益になることは一切ないと謳っています。
本当なのか。半信半疑でした。
でも本当なら、守って欲しい。助けて欲しい。
その部署のことがすごく気になりました。
自分一人では太刀打ちできない。やり込められて余計にひどくなってしまいます。
誰か権限のある味方をつけること。
証拠を残していくこと… 等々。
対応を必死で考えていたときだけに、法務室立ち上げの知らせはタイムリーな情報でした。
・どうする?①
で、どうする?
まず手始めは証拠を残していくこと。
まさか現場の映像なんか撮れません。今のような小型カメラなどもありません。
では、録音ならどうか。
当時のケイタイはいわゆるガラケー。録音機能などありません。
その頃、たまたま私は家電店で「ICレコーダー」というものを見つけました。
会議等を録音しておくためのものです。けっこう売れ始めていたようです。
店頭で大々的に陳列されていました。
でも小型の性能がいいものは価格が2万円前後はします。当時の私のお財布事情では厳しい金額です。
給与が激減した上に、私と家族別々の生活費や帰省代にとやり繰りは大変でした。
ただ背に腹は代えられない。購入しました。
名刺大で厚さ5mmほどの小型のものです。
私にとっては武器です。
購入後、使い方や実際にどれくらいの精度で録音できるか、いろいろなシチュエーションを考えて実験してみました。Yシャツの胸ポケットでもよく録れていました。
いざ実践。いつ呼ばれても録音できるように常に手元に置いておきました。
そしてその拠点長の自席に呼ばれるたびに手帳に重ねたり、胸ポケットに入れて録音しました。
見つかったらヤバい。かなりドキドキしながらです。
録音記録はどんどん増えました。
ただ、ちゃんと録れているのか。でも確かめられない。拒絶反応がすごいのです。あの声をわざわざ改めて聞くのが怖いのです。その気にはなれませんでした。
もう録れていると思うしかありません。
ただ録音していると心の砦ができたようで少し心強くなりました。
パワハラの事実も書き留めるようにしました。着任当時から覚えている限り書き出しました。
ノートがみるみる埋まっていきます。
書きながら、くやしさがこみ上げてきました。ものすごくいいように扱われてきた歴史。
うつ状態の私が唯一必死になったことかもしれません。
・どうする?②
その次にやったこと。
誰か権限のある味方をつけることです。
つまり、対抗できるだけの役職や権限を持った人に助けを請うことです。
となると、社外なら弁護士や労基署等。社内で本社なら法務室、支社なら支社長か支社の内勤人事やコンプラ関係等を仕切る支社の実質NO’2の支社部長に相談することです。
弁護士や労基署はちょっと飛びすぎで違う気がします。
法務室はまだ海のものとも山のものとも分かりません。
支社長だと大袈裟すぎるし、対応してくれそうな人には見えません。それに対応してくれたとしても、内心では「面倒起こしやがって」と思われるような気がして気が引けます。
その支社部長への相談が妥当か、と考えました。
その支社部長がちょうどハラスメントだとかのことも担当する人。その人に話すのが一番身近に思えました。
当時、その支社部長は私より10才ほど年上で50才くらい。
その人はその拠点長とは一線を引いているようでした。
そもそもタイプが全く違う。上品な人格者に見えました。信頼できそうな人。
「この人なら拠点長にペラペラ話したりして、ナアナアで終わらせないのではないか」。
一種の賭けです。
日中、拠点長のいない時に、その支社部長に電話しました。
「実は拠点長からのひどいパワハラでこれ以上耐えられません」こんな話からだったと思います。親身に聞いてくれました。
「やっぱりか」という反応でした。何かあると思われていたのか、うわさでもあったのか。
一度近々支社で直接話を聞かせてくれと言われました。
その拠点長は私が支社幹部と話すことをすごく嫌っていました。
拠点のことを知られたり、私がパワハラを告げ口することを恐れていたのだと思います。
支社幹部と話すとなるといつも態度は一変、何を話すのか尋問されたり、話す内容を一字一句指示されたり大変でした。
支社部長と支社での会議後に話すことになりました。
別の事務の用事を用意してその相談と称して行きました。
大義名分がないとその拠点長が疑い出して激怒し始めるからです。
その拠点長は事務のことなど全く分からないから「早くしろよ」でその場は終わりました。
支社へは毎回私の車に乗せて行きます。待たすと怖い。
短時間勝負です。
その拠点長は疑い深い。執念深い。支社からの帰り道も助手席から何を話したのか延々と尋問されました。
私は終始、事務で困ったことの相談だと押し通しました。
それでも安易に支社幹部に話に行くなと半分怒鳴るように念を押されました。
車内は密室です。運転しながらも恐怖でガチガチです。
その拠点長は、禁煙にしている私の車でタバコを平気で吸いまくる。足はダッシュボードに投げ出し、横柄な態度で睨みつけながら尋問してくるのです。
以前車内で、私の受け答えが気に食わず、話し終わった途端、脅すがために助手席から足で「バツンッ」と車のダッシュボードを蹴られたことがあります。
ビクッとしながらも咄嗟に「何するんですかっ?」と言ってしまいました。
その拠点長は「ホーッ」と言ってニヤリとしながら詰問が余計にひどくなったことがあります。
それもあって2人っ切りの密室は私には脅威の空間。トラウマです。より恐怖の時間でした。
支社部長との面談を短時間で済ますために、確か書き留めたメモを渡したと思います。そして簡単に説明しました。
支社部長から最後に「で、どうして欲しい?」と聞かれました。
拠点長をつぶしに掛かると支社の運営に迷惑が掛かる気がして気が引ける。
この期に及んでまだそんなところに気を使ってしまいます。
支社長たち支社幹部の本音では「面倒起こしやがって」と思われるようで嫌なのです。
深読みです。人事評価も下げられるような気がして恐れていました。
自分を支社に引き揚げてもらうとなると、自分の立場はその後どうなるのか不安です。
拠点もたちまち回らなくなる。支社にも職員にも迷惑がかかります。
新しい副拠点長なんて簡単にはあてがわれることもありません。
かと言って、その拠点長を引き揚げてもらうのも考えにくいし、支社からその拠点長に注意や指導をしてもらうだけだと、その拠点長の悪事は止まるはずはなく、仕返しを間違いなくされる。それは怖すぎる。
とにかく、今は起こっているパワハラの事実を知っておいて欲しいと伝えました。もちろん証拠を残していることも伝えてはあります。
支社部長は「何かあったらいつでもいいから直接電話してきなさい」とケイタイの番号を教えてくれました。それだけでも救われる気がしました。
それ以降、何度か強烈な脅しや、拳を振り上げて殴られそうになったことがあります。
あまりの恐怖で震えながら電話したことがあります。
今、こんなことをされかけた、と誰かに話しているだけでも少しは心の砦になっていました。
支社部長は会議などでの連絡事項でも頻繁にパワハラを取り上げてくれました。
少し心強いものの、問題が解決した訳ではありません。パワハラは日常茶飯事です。
まるでしもべか奴隷かくらいの目で見られている。
私が怯えていることをいいことに益々つけ入ってくる。
その拠点長は人をよく見ています。気性の荒いタイプの職員などには不用意に近付きません。そんな職員と口論にでもなれば、場合によっては拠点の内情が表だってしまうかもしれないからでしょう。
相手が完全な部下である副拠点長が一番扱いやすい。相手がビビってるとより扱いやすい。どんどんつけ入ってくる。
副拠点長を型にはめて操り人形のように動かし、その様を職員にも見せつけることでより恐怖を煽っていました。
恐怖を煽りながら、職員個々には誉めたり無視したり…、様々なパターンで心理操作していきます。ヤクザや詐欺師の典型的なパターンです。
せっかく相談しても動いてもらわなければ解決にはならない。モヤモヤしたままです。
解決とは、拠点長が他の人と今すぐ交代すること。
あるいは、せめてパワハラがなくなること。
そして自分の精神状態が元に戻ること。こんな感じでしょうか。
本音を言えば、私はその拠点長に仕返しがしたい。
拠点長職を役免にさせて、会社からの退職金や年金がまともにもらえなくしてやりたい。そのくらいには思っていました。
でも「支社に悪く思われたくない」「穏便に一刻も早く逃げ出したい」が勝っていました。悲しい性分です。
・どうする?③
で、どうする?
本社の相談窓口、法務室。半信半疑ではあるものの、いったいどれくらい力があるのか。気に掛かっていました。そして思い切って電話してみたのです。匿名でと。
電話の応対者は男性でした。どんな役職者かは分かりません。
私が法務室にパワハラの相談をしたら何をしてくれるのか、と尋ねました。
確かにプライバシーの保護や当事者の不利益になることは一切ないと言われました。
対応の仕方は場合によって様々だということでした。だから名前と内容を話して下さいと言われました。対応は様々と言われてそれ以上何も言えず、何ともモヤモヤ。
私はひとまず受けてきたパワハラをいくつか話しました。
そんなひどいことが起こっているのかと電話の向こうで驚かれました。
で、やはり名前や部署を教えて欲しいと言われました。法務室としては即行動を起こしたいようでした。結局、私は名前を伏せました。
ありがたい話です。ただ、名前を言ってしまったら具体的に動かれてしまう。
結局は支社に話が行き、その拠点長に直接確認や指導が入るのではないか。
私はそれを怖れました。
即行で支社引き揚げなどの処分をしてくれれば別ですが、それにしたって何日かは引き揚げるまでに一緒にいる日数はあるのではないか。
その拠点長からすれば、誰が法務室に電話したかは明らかです。執拗な仕返しは想像がつきます。何をされるか分かりません。
指導されて素直に直るような輩なら元々そんなひどいパワハラはやりません。
現在ではパワハラの法律もあります。
とは言え、支社に直接相談すると支社や支社部長の都合に合わせて、対応している振りで終わる可能性があります。誰もできれば大袈裟にはしたくない。その人の人柄や職務へのスタンスしだいなのです。
しかし、本社の法務室なら、間違いなく対応します。ナアナアでは終わりません。
法律や会社の規則に則っている専門の部署だからです。
売上目標があったり、拠点長や営業職員どちらもの統括をしている支社とは違うところです。
本社の法務室の指示の下、直接か、あるいはコンプラ関係等を仕切る支社部長が、無作為に選抜した周りの職員等と当事者にヒアリングします。もちろん他言無用のマル秘扱いです。
「訴えられた本人に確認や指導」ではないのです。
すべてヒアリングした記録が残されます。
まずは周辺からの事実確認で証拠を固める訳です。
そこに録音等の証拠も確かであれば確定です。
管理も、決定権も法務室、本社です。
即刻、対象の拠点長は支社引き揚げ、お役御免です。
もちろんパワハラの程度にもよりますが。
逆にひどければ、場合によっては解雇などもあり得ます。対応が早い。
支社の都合は関係ない。
最初から最後まで法務室が責任を持ちます。支社もナアナアにはできません。
当事者の意向によっては社外弁護士を通して民事訴訟や刑事告発もあり得ます。
実際に年間にパワハラやセクハラで支社引き揚げや解雇になった拠点長もちょいちょい耳にします。
今なら間違いなく即訴えるのに。
とは言え、最近ではスマホ全盛期。職員が、気に食わない拠点長の朝礼の録音や撮影もあるようです。
法務室にどんどん訴えの連絡がいく。職員が拠点長を陥れようとパワハラ・セクハラと名乗った怪しい訴えや、嫌がらせ的な内容のものも多いらしく、その采配が大変のようです。
ある意味怖い世の中です。
当時は法務室も立ち上げたばかり。パワハラの法律もありません。
上の人間の感覚もまだまだナアナアだった頃です。
パワハラやセクハラをしている支社幹部や拠点長もまだまだいた頃です。
安易に信じることができませんでした。
・どうする?④
証拠は集めています。権限のある人に知ってはもらっています。
毎日毎日、自席に呼ばれては脅しや尋問が繰り返されています。
週末金曜の夜にかかってくる電話も続いています。
私用の使いっ走りもちょいちょいあります。その他数えたらキリがありません。
私は完全に自分が何者かさえも分からなくなるほど自分を見失ったままです。
毎日の恐怖で心が縮み上がっている。
それまでも心が病んだ状態でうつろになっていたところにパワハラでとどめです。
うつ状態はずっと続いていました。
1日が異常に長く感じる。もう我慢も限界を超えていました。
アクションは起こし始めたものの、本社、支社ともに具体的に動いてもらうだけの腹が据わらない。足踏み状態です。
で、どうする?
結局、どこかで自分でケリをつけないといけないのか。
その拠点長に直接対峙しないとこの状態から抜け出せないのか。
ただ、証拠はある。知ってくれている人もいる。
いざとなったら法務室、支社部長…、状況によっては警察や弁護士…。
以前よりは心の砦が少しはできていました。
自分の気を高めていきました。やはり自分は自分で守るしかないのか。
次章: 生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~ 第8章-5
■シリーズ目次
生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~(はじめに)
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