生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~ 第5章-2




 

前章: 生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~ 第5章-1

 

記事 第5章-2  ~目次~

5.30代半ばに向け、何もかも行き詰まっていく

5-2

・新たな支社長 燃え尽きた私
・どうしていいか分からない状態
・支社長との関係の転機
・パワハラと孤独感
・禁煙の失敗とコソコソした行動
・妻の反乱
・まるでストーカー
・修羅場
・壊れた家庭と壊れた妻の心
・自分史上で最悪の10年間の幕開け

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5.30代半ばに向け、何もかも行き詰まっていく

5-2

・新たな支社長 燃え尽きた私

休む間もなく新年度が始まりました。
私は前年度のがんばり過ぎで心身とも疲労困憊していました。
自分の性格上、何かに一生懸命になると根を詰めてやり過ぎる。
するとその後しばらく無気力になるところがありました。

心のバランスを考えると坦々とやってる方が安定します。

管理職だから自分が仕切り直しをして、職員たちの気持ちを切り替えさせないといけない立場。
でも何もやる気が起きない。
拒絶反応の塊です。プチうつ状態。

新年度はガラッと支社幹部が入れ替わりました。
支社長は新人支社長。初場所です。40代半ば。何かちんけなおっさん。
張り切っているのは伝わってはきます。

当時の支社長というポジションは一国一城の主。お殿様。
拠点長団とその下には何百人かの営業職員を従えています。

拠点長団の人事権や営業職員の採用権も握っている。
そして個室と運転手付の黒塗りの高級車も与えられる。
支社の資金についても権限を握っている。
大きな会社の中で支社長にまでなれたら御の字。大したものです。

私たち拠点長は部下というより家来って感じ。

だからものすごく偉くなった気がするのでしょう。
人格が豹変する人も多くいます。
「この人はどうなのか」その時は分かりませんでした。

 

・どうしていいか分からない状態

年間売り上げ目標をやるために自分にムリをしてきました。
職員に厳しく仕事の要求をする。
自分も長時間労働に、休日返上に、と家庭も自分も犠牲にしてきた。
そして燃え尽きました。

何もやる気が起きない。そして職員にも厳しくムリも要求してきたけどもうこれ以上は強く言えない。
申し訳ない気持ちと、気力が湧かないのと、複雑な気持ちが混ざって何が何だか分からない。
どうしていいか分からない。そんな心境です。

普通に仕事をすればいいのに極端です。職員に遠慮の塊です。
自分の性分に合わないことをやってきたツケです。

毎日もちろん仕事はしている。でも何か積極的に仕掛けていくような意欲も案も湧いてこない。
坦々と日々が過ぎていきます。事務的にこなしてる感じ。
当然業績は年初からボロボロです。

悪いくせです。そんな状態でも誰かに相談もしない。何か避けてしまう。
神経を使うのが嫌。説教じみた話を聞くのも嫌。
先輩たちに上手に甘えていける性格ならいいのにそれもできるタイプではありません。
他人との対峙をとにかく避けたい気持ち。距離をとってしまいます。

 

・支社長との関係の転機

新年度も数カ月が経ち、業績が思わしくないことに支社も心配していたのでしょう。
様子伺いの意味もあったのか支社長から「飲みに行こう」と誘いの電話がありました。
支社長がわざわざ拠点まで夕方に来ると言うのです。
一番苦手なパターンです。
支社長の人物像もまだ分からず、人見知りの上に上司となると構えてしまうタイプ。

気にかけてもらっていると善意にとればいいのに、業績が悪いところに来られて何を言われるのか、何を話せばいいのか。
自分は燃え尽きた精神状態で受け答えする自信がない。
そんな風に悪くとらえてしまっていました。

仲良くなるチャンス? 理解してもらうチャンス? アピールするチャンス?
そう思える訳もなく、夕方が近付くと心臓がバクバクし出しました。嫌で嫌でしょうがない。

そして支社長到着。拠点の近くの古い居酒屋へ行きました。
酒の席でも話は弾むこともなく時間が過ぎました。

支社長が「どうなんだ?」と投げてこられました。もちろん仕事のこと。私は不思議なくらい口ごもる。
返事が浮かんでこないのです。
今の本音を言っても拠点長としての烙印を押されてしまうかもしれない、とか何を言っても言い訳に聞こえてしまうかもしれない、とか深読みし過ぎて言葉が出ません。うつむいてしまう。
重苦しい時間だけが過ぎました。
時間がやたら長く感じたのを覚えています。

今の年になって思えば、ずいぶん若い部下でも、ざっくばらんに本音で話して「バカ野郎」と冗談が言えるくらいの方が楽でいいと分かります。お互い思うことを素直に話すからこそ相手の姿や形が見えてくる。そうしていたら楽しく会話できたかもしれません。

現実は違いました。私はひたすら自分を隠す。さぞかし「扱いにくいやつ」「何を考えてるか分からないやつ」と映ったことでしょう。

おそらく、この日を境に支社長の私への態度は変化していったのです。

 

・パワハラと孤独感

支社長は着任から数カ月が経つと少しずつ拠点長たち全体へも態度が変化していきました。
特に自分より若手には横柄になっていきました。
豹変するタイプ。

拠点長の会議では特に私は狙い撃ちのように怒鳴られたり、無視されたり、立たされたりするようになりました。

週末や月の〆切で業績が悪いと、当時は夕方〆切ったあと、遠路でもわざわざ支社へ支社長にお詫びと説明に出向かなければいけない風習がありました。それが仁義という訳です。
部下ではなく「家来」と思ってしまう要因の一つです。

ある週末、そのお詫びに向かいました。片道1時間40分。

憂鬱な気分で支社に到着。
支社長室に「失礼します」と入ったとたん、「おまえの顔なんか見たくないんじゃっ」と大声で叫びながら、至近距離から大量の書類を私の顔面目掛けて投げつけられました。思わず「痛っ」と声が出ました。
その後、私は無言のまま一礼して支社長室をあとにしました。

支社長室の外にいる支社幹部も声も掛けてくれず、ただ眺められたまま出て行くだけでした。

一瞬で終わってまた帰路1時間40分。
呆然としながら帰りました。

またある支社長面談の時には「おまえがこの会社にいる限り、とことんつぶしに行ったるからな」と睨みつけて言われました。
人事評価は最悪だったことでしょう。
これが上司か…。

自分が招いた人間関係のもつれなのか。パワハラは。
自分だけが辛いめに遭っているような感覚。
自分が自分でないような感覚。呆然自失。
益々気持ちは殻に閉じこもっていきました。ものすごい孤独感。

 

・禁煙の失敗とコソコソした行動

家庭も少しずつ変化がありました。

妻は元喫煙者でした。でも私がタバコを吸う女性が生理的に嫌で結婚前にムリヤリ止めさせてしまったのです。
もちろん偏見、女性蔑視かもしれません。

そのくせ自分はヘビースモーカーでした。
仕事のストレスで益々増える。

ただ妻にはタバコのことでどこかに負い目を感じていました。
自分はよくて妻はダメ。古い亭主関白的な感覚です。
更に妻には「深夜の逃走」(4章-3)のことでもどこかしこりが残ってる感じがしていました。
どこか心の奥でぎこちない感覚です。

ある時妻に「自分だけ吸って勝手やな」とボソッと言われました。ドキッとしました。
負い目からか小さな声で「止めるよ」と言ってしまったのです。
そんなことから実際に止めないといけない方に自分でも気持ちが追い込まれていきました。

タバコやストレスで肺や喉、鼻等の調子が悪いこともあって止めないといけないなとちょうど思ってもいました。

なかなか踏ん切りがつかなかったものの、ある日実行しました。
もちろん妻も知っています。

しかし、ニコチンの常習性は怖いものです。
数日が過ぎたある日、夜に飲み会。後輩の煽りであっ気なく失敗。それどころか帰りには自販機で新品を買ってしまう始末。

でも失敗したことが妻には言い出せません。何かに怯えていました。
外では大っぴらに吸っても家族には隠れて吸うようになりました。
休日は理由をつけては小一時間吸いに出る。
平日は夜間に家族が寝静まってから車に吸いに行く。それが習慣になると楽しみにさえなっていきました。
コソコソするスリル。

ある日、その車で吸っている時に妻が家から見に出てきました。怪しまれていたのでしょうか。
気が付けば、10mほど先から見ていました。悲しそうな引いたような表情で。
私は血の気が引きました。別に法を犯した訳ではないのに。
妻は黙って家に戻りました。

気まずい。翌朝、小さな声で「ごめん」の一言がやっとのこと。
下手にいろいろ言うとただの言い訳のようだから。
何にビビッていたのか。まるで支社長に対しての態度と同じです。

気まずい家庭の雰囲気。
「ごめん、失敗したんや」とまた普通に吸えばまだいいものを勝手に負い目を感じて気まずさをそのまま引きずってしまう。
妻もそれを感じ取っているのか、何となくお互いに溝を感じました。

仕事で心が病んでいる時に家庭でも重いものを背負ってしまった感じ。
家庭でも何となく居心地が悪くなっていました。心の居場所がない感じ。
仕事も家庭も何かが狂ってきている。

もちろん、自分の心の持ちようが巻き起こしているとは想像もできませんでした。

参考記事: 【禁煙】成功できるまでの体験談

 

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・妻の反乱

妻は近所付き合いや、ママ友とも明るく付き合っているし、ママさんバレーも始めて楽しんでいるのかと思ってホッとしていました。

私は仕事や人間関係で心は病んだ状態。
家庭は妻に任せっきりで話をじっくり聞いたりすることもあまりできてませんでした。

妻は妻で遠いこの田舎町で孤独感でいっぱいいっぱいだったのかもしれません。
そこへ私の浮気疑惑にタバコの隠し事等が重なって余計に重苦しくさせていたのでしょう。

ある日、自宅2階のベランダでタバコの吸い殻を見つけたのです。
私のではありません。「まさか」。血の気が引きました。
妻がタバコを吸っている!?
世間からすればたかだかタバコを吸ったくらいで、かもしれません。
でも当時の私は自分の恋人や妻である女性がタバコを吸うことが耐えられないことでした。
吸っている姿が頭をよぎり、裏切られたような気持ちで頭の中は真っ白になりました。
沸々と湧いてくる疑念と怒り。

でもそのまま何も言わず様子を見ました。証拠がないからです。心の中は疑心暗鬼の塊です。

しかし、ほどなくしてベランダで洗濯物を干しながら吸っているのを見てしまいました。
私もまるで偵察隊。コッソリ見に行きました。

思わずボロカスに言ってしまいました。

そこから私は妻を無視するようになりました。
本当は気に掛かってしょうがないのに。
無視を装ったという方があっています。
それ以上言うともっとボロカス言いそうだし、言い過ぎて終わってしまう恐れも感じながら、ちょっとくらいは無視をされてショックを受けてくれないかとせこい感覚もどこかにありました。

 

・まるでストーカー

また何日か経っていきました。
お互いほとんど口を聞くこともなく、重苦しい雰囲気は続いていました。

何となく妻がいつも以上におめかしをするように感じました。
ケイタイも頻繁にさわり、メールを誰かとやりとりしている。
2階に上がってはコソコソ誰かとケイタイで話している。
明らかに様子がおかしい。

「男か!?」直感的にそう思いました。無視してるくせに気になって内心はソワソワ。

妻がいない時、寝静まった時に物色してしまうようになりました。妻のケイタイも見てしまう。
元々そんなことはみみっちい男のすることとしてさげすんでいました。
明らかに病んだ人間のやることです。自分ではその衝動が止められないのです。

引出しの奥から妻が若い男に後ろから抱きしめられている写真を発見しました。
もちろん写している人がいるのですから二人きりではないでしょう。

「ほらやっぱり」という見つけ出してやったぞって感覚と、「ほんまやった」というどうしようもない衝撃で気は動転していました。

そこから妻が寝静まってから妻のケイタイを見るのが日課になっていました。異常です。
ストーカーがエスカレートしていく心理状態が何となく分かる気がします。
もはや目的がすり替わって「ケイタイを見ること」「何かを見つけ出すこと」が目的になっています。
自分の手中にあると思っていたものが離れていく喪失感とでもいうのでしょうか。

罪悪感はまだ持ち合わせています。でも止められない。

ある日、ケイタイを見ていたところを見られ、余計に険悪なムードになりました。

妻がある週末、遠くの街で友人と食事して泊ってくるというのです。
私の頭の中は「男がいる」一色。
「友人」なんて信じてません。動転していました。

そして出て行こうとする妻を必死で阻止したのです。それでも出て行きました。

「そうか、楽しんでおいで」なんて気楽に言えるような心理状態ではありませんでした。
阻止することでより夫婦関係がこじれていくことも想像する余裕なんてなくしていました。

夫婦関係は破綻の一途をたどっていたのです。

結局、妻は一度出て行きましたがしばらくして戻ってきました。
どんな心境だったのでしょう。

今思えば、自分の心の持ちようで引き起こした事態です。

 

・修羅場

翌日、仕事も余計に手につかず会社でも顔面蒼白状態です。たまらず昼間思い切って家に戻りました。

向き合おうと思ったのです。
対峙するのはものすごく怖い。でもそのままにしておく方がもう終わってしまいそうでもっと怖い。
いてもたってもいられず、戻りました。

妻は家にいました。私は心臓バクバク。
何とも重苦しい空気でした。

「話さへんか」小さな声で切り出しました。
しばらく沈黙のあと「昨日はごめん」ともう一度つぶやくように言いました。
「思ってること話してくれへんか」

しばらくして妻はおもむろに口を開きました。

田舎で子育てを一人でやっているようで不安なこと。私の浮気疑惑も聞けずにきたこと。私のタバコのこともでてきました。

そのうちに口調は激しくなり、早口になり、最近の私の態度なんかも言い始めるともうすごい剣幕になりました。私はただただ聞くしかありません。どれくらい罵られたでしょうか。かなり長く長く感じました。だんだん妻も疲れたのか、言うことがなくなってきたのかトーンが下がってきました。
最後になって「スッとした」と言ったかと思うと「今までは楽しかった。でも私は元々結婚には向いてへんかったんや」と言われました。

もう終わりということなのか。私はまた血の気が引きました。

いつの間にか私だけが悪かったことになっていました。
「悪かった。直していく」と確か言ったように思います。
そして会社に戻りました。ひとまず向き合った。まだバクバクしてましたが少し安堵の気持ちもありました。

・壊れた家庭と壊れた妻の心

家に帰ってからは完全に形勢逆転。私だけが悪者状態。

私が恐る恐る話しかけても無視までではなくともよそよそしい。覚めた表情。
完全に夫婦間に溝ができてしまいました。

長男は察しているのか笑顔が減りました。親のせいで悪影響。申し訳ない。
私は仕事も意欲が失くなってるところへ家でも心の居場所が失くなってしまいました。

妻は仲良くなった地元の同年代の夫婦を頻繁に家に呼ぶようになりました。
私への遠慮なんかなくなっていました。

晩飯にも来る。で、酒を飲む。私は気を使ってしゃべってましたが本当は嫌。
疲れてるのにまた神経をすり減らしました。

酒が進むと相手の奥さんから絡まれ始めました。
「あんたはいったい何がしたいんだよ?」すでにタメグチ。
妻が相談していたのでしょう。かなり絡まれ、切れそうになりましたが弱い立場になってしまった私には何も言い返せませんでした。

そんな飲み会を契機に妻は堂々とタバコを吸うようになりました。でも私は何も言えない。

その姿を見て、内心はたまらなく嫌で嫌でしようがない。憎悪さえ浮かびます。でも言えない。
夫婦のよりを戻したいから。

そんな重い空気は戻りそうもなく日々が過ぎていきました。

そんな頃に新年度の内示が出ました。日本海から太平洋側へ。
しかも降格です。頭の中は真っ白。何がなんだか分からないような心境でした。

 

・自分史上で最悪の10年間の幕開け

入社してから、拠点長になってから、その都度心は病んでいました。

でもこの一年は「何もかもが行き詰まっていく」そんな感覚でした。
自分が引き寄せてきたとは当時考えることもなく、ただただ絶望感の塊でした。

会社では今までも、気負い、ボロカスに言われることも多々あって、心は常に不安・憂鬱な気持ちで生きづらさを感じてきました。
この一年は輪をかけて何が何だか分からなくなってしまうような感覚で過ごしました。

そこへ家庭の崩壊。楽しい家庭が簡単に崩れていく感じでした。
常に呆然自失状態。

心というのは、車のハンドルのようにくるっと回せば方向を変えるというような単純なものではありません。
そのハンドルが見えないからです。
私は心のハンドルが全く見えないまま、この一年を含めて約10年間、自分を見失ったままうつ状態で更に苦しんでいくことになっていきます。

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■シリーズ目次
生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~(はじめに)

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