生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~ 第4章-1
前章: 生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~ 第3章-2
4.初めて拠点長に
4-1
・拠点長としての異動内示
・気負い
・拠点長と拠点経営
・営業職員と拠点経営
・私の描く拠点長像
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4.初めて拠点長に
4-1
・拠点長としての異動内示
登用試験にようやく合格し、2月に新年度の異動内示を受けました。
同じ支社内(同じ県内)での異動です。
初の拠点長。営業拠点の責任者。トップ。
異動先は以前に仕事で行ったことがある同じ県内。
「もしかしてここに来るかも」と思ってたら、そういう勘って当たってしまう。
地方小都市でいろいろ生活には困らない感じ。そこはひと安心です。
でも支社や今の社宅から車で2時間。故郷からも更に遠くに。車で帰省すると7時間はかかるところ。当然引越し。
また寂しさに襲われていました。望郷の念が再燃。
故郷には年に盆暮れの休暇くらいしか帰れません。しかも今は所帯持ちです。休暇の半分は妻の実家行き。これが実は辛い。1週間の休暇でも毎回往復の運転で2日間取られる。
だから実家には実質2~3日。
親も70才前。あと何回会えるのか…。そんなことを考えてしまう。寂しさと不安で不安で夢でも何度かうなされました。
転勤族の悲哀でしょうか。
新しい住居は代用社宅となる市街地のマンション。
3月は引越しのたび、準備でバタバタです。使わないものはどんどん捨て、滅多に使わないものは分けてダンボールに詰めて新居でも出さなくていいようにします。
段々引越しも慣れていきました。
寂しさもかき消される忙しさ。
今度は子供も幼稚園に入園があるため、異動先の幼稚園を調べたりほんと大変でした。ネットでサクサクって訳にはいきません。市役所に電話して聞いたり手間ひまかかります。
夫婦共同での作業。何か家庭を持った実感。楽しい時でもありました。
やっと夫婦二人のほどよい間合いができてきた感じです。
生まれ育った環境が違う二人。同じ色になっていくにはやっぱり時間がかかります。
子供も3才。「父さん、父さん…」とせっついてこられるとかわいくてかわいくてしかたがない。じわじわ父親の実感が湧いてきてます。
子供の成長、それも夫婦共通の楽しみ。
・気負い
拠点の前任者は大好きな少し上の先輩。私を後任に推薦してくれたようです。ありがたい。
でもその先輩はムチャクチャできた人。人柄も業績も。
なので初拠点長のプレッシャーに更に上乗せのプレッシャーがのしかかりました。
張り切ってる気持ちもないことはないけれど複雑です。
着任後初出勤の朝。ドキドキ。
書類で拠点と職員の予備知識はつけてきました。
全体で営業職員30人ほどの拠点です。だから規模的に一人で担当です。50代の男性1人に他は幅広い年代層の女性。あと事務の内勤職員2人。
上は80代の大ベテランもいます。下は20才そこそこの若い女性もいます。
リーダーはベテラン層を束ねるベテラン2人と中堅1人。そして新人層を育成する中堅2人。計5人。リーダー全員私より10才以上年上。ベテランのリーダーは60才近く。30才の私にはお母さんやお姉さんみたいな人たち。
始業時間は9時。その朝8時過ぎ、リーダーたちは早く出勤しています。
私は支社幹部に引率され出勤。リーダーたちと初顔合わせ。
すごく感じよく受け入れてくれました。少しホッ。
登用試験に合格してから、そしてこの拠点に内示を受けてから自分はどんな拠点経営をするのか、どんな風に振る舞うのか必死で考えてました。何となくはイメージするものの、何しろ初めての経験です。正直分かってない。迷いだらけ。
それよりも「始めが肝心、舐められたらアカン」という気持ちの方が強かった気がします。
上手くやらないと、と顔は笑っていても心の中はガチガチ。何とか朝礼で挨拶し、一人ひとりに挨拶代わりの手土産を配りながら「よろしくお願いします」と各机をまわりました。
その後、自分の机を整理し始めていると、拠点の端の方でリーダーや職員たちがこっちをチラチラ見ながら談笑しています。
それだけで何かバカにされてはないだろうかと内心ビクビク。
向こうは若者の新人拠点長がきて興味津々なのとかわいがってやろうと好意的だったんだと思います。今の年になって思えば…。
当時の私は余裕がなく、既に舐められているのではと心穏やかではありません。勘違いが一人歩きして膨らんでいきます。
それに前任の先輩拠点長の人気がすご過ぎてみんな口々に「〇〇ちゃんのときは…」と名前が出てきます。自分がちゃん付けで呼ばれたら「舐められてる」と思うくせに先輩が「〇〇ちゃん」と呼ばれてるのはすごく好意的に聞こえる。「〇〇ちゃん」と呼ばれるくらい好かれていたのか…と。
なんとまあ自分のことだけ悲観的。自己肯定感が低いから?
地域柄なのか何とも人懐っこくてラテン系のような明るく浮かれたノリ。
初めて味わう雰囲気。ついていけない。気おくれしてます。
どうしても前任者と比較してしまう。いや、されてると気にしてる。
ベッタリついた前任者の色を払拭せねば。気が張ってます。自然体になれない。
「俺は拠点長!」それらしく振舞おうとして余計気おくれしてる。
「どう思われてるのか?」職員の目が気になって気になってそれだけで疲弊。
こうして拠点長の日々が始まりました。
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・拠点長と拠点経営
拠点長ってその地域にある営業拠点(営業所)の運営責任者。
散々副拠点長としていろいろな拠点長の拠点経営をそばで見てきました。
周りの多くの拠点長にも接してきました。
当時は本当にヤクザチックな拠点長もまだまだいっぱい。
社内でも営業畑は「外野」と言われて内勤たちとは違うんだって別物扱いされる領域。
拠点長たちは支社ごとに支社長を頭に団結を求められ、拠点長団として結束。その中の拠点長会長を中心にまとめられました。支社を盛り立てる家来たち。支社の売上げ目標をみんなで仕上げるのが目的。
「拠点長」という横のつながり。ある意味、団結と言う名の同調圧力で目標へ向かわせる仕組み。上手くしたもんです。
横のつながりとはいえ、中は完全なる縦社会。拠点長会議が招集されるとその後頻繁に飲み会。今でこそ1次会で終わるけど、当時は2軒目3軒目。よく深夜まで付き合いました。
もちろん、若手がすべて気を使って手配から先輩のお世話もやる。
これも神経をすり減らす原因。HSPの私にとってたくさんの人間がいるだけで落ち着かないのに上の人間もいる。接待気分。酒を飲んでも楽しくもなんともない。たまらなく嫌な時間でした。
2軒目だとスナック。若手はカラオケを最初に歌わされる。誰も聞いてない。かと言って気の利いた曲じゃないとどやされる。「どうせいっちゅうねんっ!?」心の中で叫ぶ。
こんな嫌な付き合いもしながら仲間意識ができていくのでしょう。
拠点長会議で支社長から怒鳴られたり、立たされたりしても、あとでかばってもらったり…。任侠の世界みたいな? 映画でしか知らないけど…。
そんなお付き合いの中でいろいろ拠点経営についても聞かされる。
「教えていただく」ではなく「聞かされる」というのはけっこうくどくお説教じみているから。
でもそんな話も聞くたびに刷り込まれていくんです、これが。
朝礼ではメリハリ利かせてガツンッと締めないといけない、とか。職員に優しくしたり詰め寄ったり、みたいな接し方等々。
今ではパワハラやセクハラでアウトな方法もありました。強引そのものなことも。
でも何も知らない私は自分の見てきた拠点長の教えややり方とそんな話を織り交ぜながら自分なりの拠点長像をつくっていきました。
当時の私は自分がなく言われたことを鵜呑みにしてました。
最近の会社のあるマニュアルには
【拠点長の職務】
・拠点計画の策定・実施
・組織の管理・強化
・市場・基盤の管理
・営業職員・スタッフの労務管理
・コンプライアンスの遵守
と書かれていました。
日々やることも目標となる指標の種類もやたら多い。
ほんと職員や顧客対応で追われ、事務や報告物も山盛り。
それに今みたいなITも全然の頃。遅い遅いFAXとか電話でやりとり。夜の8時や9時なんて拠点にいるのが当たり前。頻繁に電話もかかるし、報告も求められる。時間内になんて絶対終われない。長時間労働が美徳。特殊な業界、って思ってました。
ほんと多忙。
けれど、目標となるのは突き詰めれば2つだけ。
【拠点経営】
・組織拡大と人材育成
・生産性(営業実績)の向上
この2本柱。
もっと簡単に言うと、人(営業職員)を増やせ。計画通りに売り上げてこい。これが支社長の本音。
当時は売上至上主義。支社長は殿様。拠点長は家来。支社長の言うことは絶対。何しろ人事権握ってますから。支社長になった途端に人格まで豹変して偉そうになる人もいっぱい。
そんな風潮でした。
今のようなコンプライアンス、ハラスメント、働き方改革、SDG’sなんてものはほとんど言葉すらない時代。
よく言えばおおらかな時代。
会社も表立ってはきれいごとを言ってます。
でも現場は殿様商売です。業績のためならお客様の解約申し出も引き延ばしに行かされる。
足りない業績はなじんだお客様に頼んでなかば強引に契約をいただきに行く。
こちらの販売強化月間だからという理由で契約をいただく。
顧客本位? お客様は神様です? ちゃんちゃらおかしい。
でも違和感を感じ、不思議に思っても従ってしまう。いや、私も職員にムリを言ってました。染まってる。
田舎の方だと当時はお客様も拠点長をまるで地域の名士のような扱いで見てくれることが多かったのです。
ましてや支社長なんてたまの企業訪問には運転手付きの黒い高級車で行くんですから。当然、お客様も偉い人が来たと思う。支社長自身も自分は偉いと勘違いする。
・営業職員と拠点経営
今とはずい分違い、生保業界の拠点はどこか宗教チックな雰囲気もありました。ベテラン職員の中には「自分たちの拠点」という強い帰属意識や会社への忠誠心をもった人も多くいました。いわゆる愛社精神。
多くの拠点長は職員をそういうものだという接し方をしている。多少のムリを言ってもついてくるものと。
現在なら「会社のために」「拠点のために」「拠点長のために」なんて人はほとんどいません。しかし当時は本当に愛社精神の強い人がたくさんいました。
営業職員は固定給だけではありません。成績による歩合給もあって個人事業主的な側面も。
1人ひとりフランチャイズの社長のような立場でもあります。
なので完全に拠点長の部下ではなく、ある意味拠点長にとっては「特約店」的な存在でもあります。
協力隊とでも言いましょうか。
職員たちからすると拠点長は数年で「私たちの拠点」を通り過ぎていくお客さんみたいなものでもあります。担当している時だけ担がれる神輿。
「好きか嫌いか」、言うことを聞いて「損か得か」、仕事で「借りがあるかどうか」
素直に担いでもらえるかどうかの分岐点です。
本人のためもあれば、業績を上げるためにムリを言うこともある。
その「ムリ」ってもっと動いてもらう「活動のムリ」もあれば、暗黙の了解で「契約のムリ」を望むこともある。
「契約のムリ」っていうのは友人知人に頼んで加入してもらうとか、時には職員自身や家族で加入するとか…。そういうのを俗に「自爆」なんて言われていました。もちろん架空の契約を作ったり、保険料を立て替えたりなんてのはご法度です。でもそんなものも当時は隠れてあったと思います。会社も知らないふりしたり。ずるい。
現在は昨今の不祥事等も受け、そんなことが起こらないようより厳しい目が注がれようやく普通の業界になって来てますが…。
まあ、いろんな意味でのムリも聞いてもらうには職員の帰属意識や忠誠心は支えです。
でも当時でも全員がそんな気持ちなはずがない。なので個々の職員をまとめてくれるリーダーの存在が大きいのです。そのリーダーたちにそっぽを向かれたり、頼りないリーダーたちだとたちまち拠点の雰囲気は傾きます。
素直に神輿として担いでもらえるか、ほんと人気商売です。担当した拠点の内情によって業績も紙一重です。
好かれていれば「多少のムリも喜んで」で済むことも、嫌われていたら「ムリを言うほど嫌われて」の悪循環に陥ります。
『男性は「仕事」に就く、女性は「人」に就く』って聞いたことがあります。もちろん一般的な話でしょうが、なるほど、確かに。
もちろんリーダーを強力にけん引したり、場合によっては一新したりして、強いマネジメント力でどんなところでも成功させるやり手拠点長もいます。
ただ、当時は強面の拠点長で「人気」や「マネジメント力」というより「恐怖」で拠点をまとめたりする人も多少なりともいましたが。
営業職員は毎月募集されてますが自ら応募してくる人はほぼいません。きつい仕事に映るからでしょうか。
ほとんどは既存の営業職員がお客様や知人を誘ってきてくれるのです。
組織拡大。職員の増員はけっこう難関です。
辞めていく人も一定数います。個々の事情もあれば、拠点の雰囲気や人間関係が原因のことも多く、拠点の在籍人数が減ることは深刻です。
拠点長が増員に本気で力を注いだ上で、職場の雰囲気がいいとか、みんな稼げてるとか、拠点長の人気があるとか…、職員の増員は拠点長の人気のバロメーターでもあります。
多くが主婦やパートからの転職。そして性別不問と謳っていてもほぼ女性。
未経験者から過去に生保営業の経験ありまで様々。いずれにせよ入社してから一から一人立ちできるように育成していきます。
ほんといろいろな年令やタイプの人が集まります。それがその拠点のカラーに変わっていきます。
拠点によって本当に違う会社かと思うほどカラーが違うもんです。
拠点長は拠点ではトップとはいえ、百戦錬磨のおばちゃん職員も多く、煮ても焼いても食えない難しい職員、何を言ってもちゃんと働かない横着な職員、気の弱い静かな職員…等、神経を使う人たちもいれば、ムードメーカー的な職員、はつらつと業績もまわりも引っ張ってくれる職員、真面目に一生懸命な職員もいます。そんな十人十色の職員たちをまとめて業績を上げていく仕事。
誰か先輩が言ってました「究極、おばちゃんのお守りの仕事や」と。
言い得て妙。
拠点長はそんな職員たちをその気にさせる雰囲気づくりに腐心します。
ちゃんと神輿を担いでもらえるかも分からないから。
朝礼って一般の会社の朝礼とは違います。唯一全員が集まる時間だから30分から長く1時間。
毎朝連絡、研修、確認、そして総括の話。本来はモチベーションを上げる時間。
でも当時は激しい拠点長も多く、個々業績の確認確認確認。詰め寄りとか怒鳴ったり、個人攻撃も全体でやってるってよく耳にしました。
施策という名の売り上げ達成や活動達成へのご褒美も準備します。物や食事会招待などです。
楽しそうにやってる拠点長もいましたが、私は始めからヘトヘト。他人に神経を使うHSPならではかもしれません。
・私の描く拠点長像
自分の容姿・性格・年齢・価値観…。いわゆるキャラ。
そんなことは置いといて。
自分の描く拠点長像は「あるべき姿」ありきでした。
ここがそもそもの間違い。ついつい他人を演じてしまう。
「自分が揺り動かしてこの拠点をよくしたんだ」と思いたい。
「自分は職員に強い影響力があるんだ」と思いたい。
「自分の指導でよくなったと思ってくれる職員がたくさんいる」と思いたい。
「支社長にもすごいやつだなと思われてる」と思いたい。
自分の実力とはかけ離れた勝手な妄想。
変な実行力だけはありました。
拠点が目指す方向のスローガンを掲げ、月間の個別の指標に対する目標感やスケジュールも策定し、実行に移していきました。自己満足。一人よがり。
リーダー方にも話はしても本当のところ共有できてない。たぶん向こうは「そうなんですか?」って感じ。
理想や形から入るから伝わらない。でも当時の私にはそれが分からない。
自分だけすごく理想に燃えている。職員はいつも通り。いや、白けている?
若者の新人拠点長らしく、ニコニコ一生懸命汗を共に流して、よくリーダーとコミュニケーションをとって、素直に神輿を担いでもらってればよかったのに…。
心の根底、奥底には「この拠点長のためなら」「この拠点長を怒らせたら怖い」なんて感じて欲しいとどこかで思っている。
そんな深層心理はどこかでは表面化します。
ある日の朝礼時、50代の唯一の男性職員が連絡もなく遅刻してきました。
勤務規律・秩序の大切さを思っていた私。内心「舐められてる」って感じてたのかもしれません。ここは引き締めないと。軟な対応したら舐められる。既に気持ちが構えている。
朝礼中にシレッと出勤してきたその職員に「何時や思とんねんっ、何で連絡のひとつもないんやっ!」と机をバンッとたたいて怒鳴りました。もちろんわざと演じてます。
まわりはシーンッ。「決まったかな?」内心は言った自分に酔いしれている。
一種の高揚感。
みんなにも響いたかな? 遅刻はダメって。
でも実際は白けたというか、陰で批判の嵐。
リーダーも苦言を呈してきました。「あれは言い過ぎ」「あの人にも事情がある」等々…。
実際、その怒鳴った職員にフォローを入れるタイミングも逸し、溝ができてしまいました。
こんなちぐはぐなやりとりで少しずつ職員との間に心の溝ができている気がしました。
いや、心の溝は私が勝手に妄想していただけかもしれません。また一人歩き。
遅刻の注意の仕方ももっといろいろあっただろうに。
次章: 生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~ 第4章-2
■シリーズ目次
生きづらいと感じてきたHSPの私 ~視点を変えればすべてが新境地~(はじめに)
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